北海道で雪が少ない地域・理由・住みやすい街か?【まとめ】

毎年のように北海道旅行をしていて北海道が好きになり、3年半前に東京から札幌へ移住して4回目の冬を過ごしています。

今シーズンの札幌は、初雪は11月19日と遅かったのですが、年始から大雪が続き札幌市の排雪作業が遅れたこともあって、札幌市内の車道は渋滞・歩道は雪の壁で横断歩道を渡る際に車の行き来が見えにくくたいへんでした(一昨日排雪されました)。

また、新千歳空港は欠航便が相次ぎ、札幌駅-新千歳空港駅間のJR快速エアポートや北海道内各地への特急列車が運休や遅延が続いていました。

北海道なのだから大雪に見舞われるのは当たり前だと思いますが、実は、同じ北海道でも雪が多い地域と少ない地域があって、北海道ローカルテレビでニュースなどを見始めて初めて気が付く転勤族や移住者などが多いと思います。

そこで、今回は「北海道で雪が少ない地域(市)」はどこか? なぜ雪が少ないのか? それらの地域はどんな街なのか? まとめてみました。

まずはランキング化(一覧)にして、次に雪が少ない方から8地域(釧路市・苫小牧市・室蘭市・根室市・帯広市・千歳市・函館市・網走市)について、気候と街の様子について1つずつ解説していきますね。

※降雪量・最深積雪のデータについては、気象庁のデータをお借りしています。

また、今回利用している「平年値」とは、1990年~2020年・30年間の平均値のことです。

北海道で雪が少ない地域ランキング

北海道にある35の地域(市)について、降雪量と最深積雪を調べてみました(村町単位まで行くとたいへんなので)。

まずは、人口の多い順に一覧にし、次に降雪量が少ない順にランキング化しました。

北海道35地域(市)の降雪量・最深積雪<人口順>

(人)平年値(cm)
法定人口降雪量最深積雪
札幌市 1,973,39547795
旭川市 329,30655984
函館市 251,08430541
苫小牧市 170,11314528
帯広市 166,53619663
釧路市 165,07712726
江別市 121,056
北見市 115,48041069
小樽市 111,299552117
千歳市 97,95022646
室蘭市 82,38315722
岩見沢市 79,306675118
恵庭市※ 70,33153581
北広島市 58,171
石狩市 56,869650113
登別市 46,39145077
北斗市 44,302
滝川市 39,490848110
網走市 35,75931158
稚内市 33,56347564
伊達市 32,826
名寄市 27,282826105
根室市 24,63616029
紋別市 21,21533958
富良野市 21,13163173
美唄市 20,413773109
留萌市 20,11455186
深川市 20,039926103
士別市 17,858
砂川市 16,486
芦別市 12,55566979
赤平市 9,698
三笠市 8,040
夕張市 7,334880130
歌志内市 2,989

「-」表示の都市については、気象庁に同じ地名の降雪・積雪データがありませんでした。

次に、このデータを積雪量の少ない順に並べ替えた一覧表をお見せしますよ。

雪が少ない順に北海道35地域(市)を並べ替え

 

順位降雪量(cm)最深積雪(cm)
1釧路市127室蘭市22
2苫小牧市145釧路市26
3室蘭市157苫小牧市28
4根室市160根室市29
5帯広市196函館市41
6千歳市226千歳市46
7函館市305網走市58
8網走市311紋別市58
9紋別市339帯広市63
10北見市410稚内市64
11登別市450北見市69
12稚内市475富良野市73
13札幌市477登別市77
14恵庭市※535芦別市79
15留萌市551恵庭市※81
16小樽市552旭川市84
17旭川市559留萌市86
18富良野市631札幌市95
19石狩市650深川市103
20芦別市669名寄市105
21岩見沢市675美唄市109
22美唄市773滝川市110
23名寄市826石狩市113
24滝川市848小樽市117
25夕張市880岩見沢市118
26深川市926夕張市130

降る雪の量である「積雪量」と、一番積もっていた時の積雪量である「最深積雪」で、順位が多少異なります。

これは、雪が降っても日中の気温や日照などにより融けてしまえば、積もり残らないために起こります。

よく、札幌でもマイナス気温になりにくい11月や12月には、雪が降っても翌日または2~3日後には雪が消えているということがよくあります。

北海道なのに雪が少ない理由

まず、基本的には気象状況は地球の自転の関係で「西から東に移動」します。

北海道に降る雪は、主に日本より西に位置するモンゴルやロシアの方から来る冷たい空気が、日本海で湿気をはらんでできた雪なのです。

北海道でも西側に位置する日本海側の平地で雪を降らせた雲は、東方向の太平洋側へ移動するのですが、その前の高い山でかなりの雪を落としてしまいます。

そして、山を乗り越えることに加え、太平洋の暖かい海水温の影響も受けるので、太平洋側では大雪になり難いのです。

例えば、日本海側の小樽や札幌では雪がたくさん降っても、苫小牧や室蘭に着く頃には雪を降らす能力が落ちてしまっているという訳ですね。

北海道で雪が少なく住みやすい街は?

雪が少ない地域(都市)はどんな街か?住んでみたくなる地域か否か?雪が少ない順にまとめてみました。

「釧路」は雪が少ないが住みやすい街か?

雪が少ない地域1位の釧路は、雪が少ないだけでなく日照も多いことがメリットですが、朝晩の冷え込みが厳しく(最低気温が低い)風が強いというデメリットもある地域です。

「ツルッツルのアイスバーン(凍った道)」が、札幌よりも出来上がりやすい気候なので、釧路は夏だけの長期滞在がおすすめで、冬も生活することになる移住(引っ越し)は慎重に考えた方が良さそうです。

釧路市の人口は約16.3万人で北海道では6番目の都市です。

買い物の利便性はイオンモールなど3つのショッピングセンターを含む大小スーパーが31店舗ほどしかないので、札幌(デパート4店・ショッピングセンター60施設・スーパー298店舗)に比べると寂しい感が否めません。

交通は、釧路空港とJR釧路駅があり、釧路湿原や阿寒摩周など観光地への玄関口ともなっています。

また、釧路の夕日は世界三大夕日として有名で、釧路駅から徒歩十数分で行ける釧路川にかかる幣舞橋からの夕日観賞がとても人気です。

もっと詳しく知りたい方は『釧路は雪が少ない!理由・積もる量・いつから?等<まとめ>』と『釧路への移住は可能か?実際に真冬の釧路に行ってみて分かったこと!?』もご参照くださいね。

「苫小牧」は雪が少ないが住みやすい街か?

雪が少ない地域2位の苫小牧は、雪が少ないだけでなく、①日中は気温も高く ②日照も多く ③風も強くない ④最低気温も札幌より若干低いだけなので、札幌よりも過ごし易い、ということは北海道の中でかなり過ごし易い地域と言えます。

苫小牧市は人口が約17万人で、北海道の中では札幌・旭川・函館に続いて4番目の都市ですが、買い物の利便性はイオンモール・MEGAドンキホーテ2つのショッピングセンターを含む大小のスーパーが27店舗しかありません。

苫小牧市には苫小牧港があって、札幌都市圏に割と近く、新千歳空港にも近接している利便性から北海道工業地域を代表する工業都市・港湾都市となっています。

買い物の利便性が札幌に比べてかなり劣る点がクリアできる方であれば移住など長期滞在もオススメですよ。

いざとなれば、苫小牧と札幌はJR線で快速エアポート&普通列車(乗り換え)で1時間くらい、高速バスでも1時間40分くらいですから、小旅行気分で札幌へ買い出しに出かけるのも悪くないですね。

もっと詳しく知りたい方は『苫小牧は雪が少ない!その理由や平年値・いつから?など』もご参照くださいね

「室蘭」は雪が少ないが住みやすい街か?

雪が少ない地域3位の室蘭は、雪が少ないだけでなく、気温は最高気温も最低気温も札幌より高めで日照が多い点もメリットですが、風が強い点がデメリットです。

実は雪は寒さを和らげてくれる効果があり、風は寒さをより強く感じさせるので、体感的には室蘭は札幌よりも寒く感じるかもしれません。

室蘭市は人口約8万人で北海道で11番目の都市ですが、ショッピングセンターはイオン系1店舗を含め3施設のみ、スーパーもイオン・マックスバリュ・メガドンキホーテ・アークスなど12店舗しかありません。

重化学工業が盛んな港湾都市で、その工場夜景や港を跨ぐ東日本最大の吊り橋である白鳥大橋が有名です。

新千歳空港へは普通-特急-普通列車を乗り継いで1時間20分以上、札幌へもJR線・高速バスともに2時間40分ほどかかる距離なので、帰省にも買い出しにも不便な地域となります。

もっと詳しく知りたい方は『室蘭は雪が少ない!その理由や平年の雪量・いつから降る?など』もご参照くださいね

「根室」は雪が少ないが住みやすい街か?

雪が少ない地域4位の根室は、釧路よりも更に東側にあり、北海道本島の最東端に位置する都市です。

雪が少ない釧路について、朝晩の冷え込みが厳しい(最低気温が低い)デメリットを指摘していましたが、根室の場合は最高気温と日照時間は釧路より若干劣るものの、最低気温は釧路よりも3℃以上高く札幌と同水準です。

1月平年値降雪量合計(cm)日最高気温の平均(℃)日最低気温の平均(℃)日照時間(時間)
根室43-0.9-6.5154.4
釧路32-0.2-9.8186.7
札幌137-0.4-6.490.4

気候的には良さそうです。

観光としては、納沙布岬や花咲ガニが有名です。

しかし、人口約2.4万人ほどの都市ですから、買い物の利便性としては、スーパーが3店舗(イオン・ホクレンショップ・コープさっぽろ)しかないなど寂しい地域であることは我慢する必要があります。

「帯広」は雪が少ないが住みやすい街か?

雪が少ない地域5位の帯広は、雪が少なく日照も多く日中は過ごしやすい面が多いのですが、最低気温が札幌より6℃・釧路より3℃も低いので、朝晩の冷え込みはかなり厳しいです。

また、ツルッツルの凍り道(アイスバーン)をつくりやすい環境ですから、自動車でも徒歩でも外出の際は日中も要注意です。

帯広市は人口約16.5万人と北海道では5番目、十勝地方では中心都市、農業を基幹産業として食料品加工や地元の資源を活かした製造業も盛んです。

JR帯広駅と帯広空港が北海道観光旅行の玄関口にもなっていますが、帯広市内にも、明治時代に農耕馬を競争させたことから始まった「ばんえい競馬」が日本唯一で名物です。

買い物の利便性は、イトーヨーカドーやイオンにMEGAドン・キホーテなど大型8店舗を含む大小32のスーパーがあり、JR帯広駅の目の前にも大型の長崎屋があったりと、北海道内では買い物の利便性が良い方の都市です(札幌市以外で)。

もっと詳しく知りたい方は『帯広は雪が少ない!?いつから?どれくらい積もる?等まとめ』『帯広への移住は可能か?真冬の帯広に行ってみての実感』もご参照くださいね

「千歳」は雪が少ないが住みやすい街か?

雪が少ない地域6位の千歳も、雪が少ないというメリットと気温が低い(最低気温が札幌より6℃低い)というデメリットがあります。

千歳市の人口は約9.8万人と北海道では10番目の都市ですが、北海道一平均年齢が若い都市と言われています。

その理由は、千歳市内に陸上自衛隊と航空自衛隊の基地や演習場があって、千歳基地の合計隊員数が約8,500~9,000人ほど、隊員の家族や退役者などもを合わせると、市内人口の約25%が自衛隊関連の人たちだからです。

商業施設の特色としては、新千歳空港や千歳アウトレットモール・レラがある点ですが、大型スーパーはイオンが1店舗あるだけで、大中小併せても11店舗しかなく、札幌市の298店舗に比べるとはるかに見劣りしてしまいます。

もっと詳しく知りたい方は『千歳は雪が少ない?!いつから降る?雪の少ない度は?』もご参照くださいね

「函館」は雪が少ないが住みやすい街か?

雪が少ない地域7位の函館は、雪が少ないといっても降る量(降雪量)は第1位の釧路の2.4倍もあります。

しかし、函館のメリットは気温が高めということで、積もる量(最深積雪)においては釧路の1.5倍に留まり、札幌の4割ほどにしかなりません。

函館市は人口約24.8万と北海道では札幌・旭川に次いで3番目の都市で、公共交通機関はJR線とバス路線以外に市電(路面電車)もあり、何と言っても新幹線が通っている点が最大のメリットです(もちろん空港もあります)。

買い物の利便性は、デパート1店舗(丸井今井・三越系)・ショッピングセンター6施設を含みスーパーマーケットが54店舗もあるので、買い物がしやすい街です。

また、函館山からの夜景と朝市などが特に有名な観光都市でもあります。

もっと詳しく知りたい方は『函館は雪が少ない!?いつから?積もる量など<まとめ>』もご参照くださいね

「網走」は雪が少ないが住みやすい街か?

雪が少ない地域8位の網走はオホーツク海に面しており、真冬には流氷がやって来ることが有名ですね。

海沿いであり流氷が流れてくるということで、さぞかし凍てつく寒さの地域であろうと思われがちですが、北海道の中でも寒さがかなり弱めの札幌よりも最高最低気温とも2℃前後低い程度で、風もちょっと強い程度です。

網走から内陸部に入った北見市と比較すると、寒いのは間違いなく寒いのですが、まだマシなように思えます。

1月平年値日最高気温の平均(℃)日最低気温の平均(℃)日照時間(時間)平均風速(m/s)
網走-2.2-8.9111.53.9
北見-2.6-14.2106.11.8
札幌-0.4-6.490.43.3

網走市は、人口約3.6万人足らずなので、買い物スーパーはコープさっぽろと食品スーパーが4店舗あるだけの街です。

網走駅の周りも飲食店が少しあるだけで、とても寂しい感じがしました。

よろしければ『網走に移住は可能か?札幌移住経験者が網走を見て驚いた差!』をご参照ください。

北海道で雪が少ない地域は?住みやすい街は?<まとめ>

雪が少ない地域には、意外と気温が低い地域が多く、風が強い地域もありましたね。

また、太平洋側は日照時間が多いということがメリットでもある反面、ツルッツルのアイスバーンとなるデメリットもあって、簡単に雪が多いか少ないか?だけでは、住みやすい街かどうかの決め手にはなりにくいように思います。

札幌へ移住しているから言う訳ではないのですが、やはり北海道の中では札幌が一番住みやすい街であると感じています。

もちろん、大自然とか田舎が好きといった方は、そのような街を選べば良いと思いますが、北海道外居住者で北海道に住んでみたい!という方に、失敗せず移住生活を送ってもらうためには札幌が無難であるとオススメするまでです。

最後にもう1度、雪が少ない地域を順番に列挙しておきますね。

釧路市 127cm
苫小牧市 145cm
室蘭市 157cm
根室市 160cm
帯広市 196cm
千歳市 226cm
函館市 305cm
網走市 311cm
紋別市 339cm
北見市 410cm
登別市 450cm
稚内市 475cm
札幌市 477cm
恵庭市 535cm
留萌市 551cm
小樽市 552cm
旭川市 559cm
富良野市 631cm
石狩市 650cm
芦別市 669cm
岩見沢市 675cm
美唄市 773cm
名寄市 826cm
滝川市 848cm
夕張市 880cm
深川市 926cm

ちなみに、逆に雪が多いことで有名な地域は、旭川の北方で、名寄市の近くにある「幌加内町朱鞠内」で、北海道のローカルテレビお天気コーナーではよく登場する地名です。

それではまた。。。

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