2100年の天気予報は正しいの?❶猛暑日の日数100年データで検証!

環境省が作成した2100年の天気予報を、HTB「イチモニ」が特集し、

・札幌でも40℃超えの「激暑」が現実となる

・30℃を超える真夏日が今の5倍に増え年間40日になる

・北海道の雨量は1.5倍になり、梅雨入りもありえる(最近20年は雨量が増えている)

といった内容が話題となりましたよ。

で、本当なんだろうか?と、まず、降水量のデータをまとめてみました↓

『北海道にも将来40℃の激暑と梅雨やってくるかも!?って本当?』

次に、30℃を超える日の日数と8月の平均最高気温についてデータをまとめてみました↓

『2100年に札幌は今の東京並みの暑さ!?に大いなる疑問の理由!!』

いずれも、50年単位で見ればその通りかもしれないけど、100年単位で見ると、そうなる傾向が読み取れない=不確定要素であるとまとめています。

そして、今回は、もう少し突っ込んで、35℃以上の「猛暑日」データを99年分取り寄せ、まとめてみました。

※気象データは、全て気象庁ホームページに掲載のデータを参照しています。
※データは1920年~2018年の99年分を各年代ごと(10年ごと)に平均値を出しました。
※利用したデータの地域は、札幌・青森・秋田・仙台・宇都宮・東京・熊谷・甲府・長野・静岡・名古屋・新潟・金沢・岐阜・京都・大阪・広島・松江・高松・高知・福岡・鹿児島・那覇・石垣島の24地域です。

7月~9月に「猛暑日」となった日数・10年平均

各地域ごとに、各年の7月~9月に猛暑日となった日数を、10年単位で平均値化して一覧にしました。

札幌・青森・秋田・仙台

単位:日数札幌青森秋田仙台
2010-18年0.00.71.61.4
2000-09年0.20.01.30.5
1990-99年0.20.31.70.7
1980-89年0.00.20.60.3
1970-79年0.20.20.60.3
1960-69年0.00.00.10.2
1950-59年0.10.01.00.5
1940-49年0.10.00.30.3
1930-39年0.00.00.00.5
1920-29年0.10.20.21.0

宇都宮・東京・熊谷・甲府

単位:日数宇都宮東京熊谷甲府
2010-18年7.87.423.223.1
2000-09年4.83.515.012.4
1990-99年4.53.714.213.7
1980-89年0.30.96.95.7
1970-79年0.41.58.43.1
1960-69年0.32.03.73.4
1950-59年0.01.02.13.5
1940-49年0.02.13.06.5
1930-39年1.10.52.98.8
1920-29年1.30.93.86.8

長野・静岡・名古屋・新潟

単位:日数長野静岡名古屋新潟
2010-18年6.03.616.92.3
2000-09年3.53.015.23.6
1990-99年4.34.211.23.1
1980-89年1.41.45.22.7
1970-79年2.11.44.91.3
1960-69年1.11.38.40.9
1950-59年1.10.86.50.8
1940-49年3.21.010.82.3
1930-39年1.17.61.6
1920-29年2.15.12.1

金沢・岐阜・京都・大阪

単位:日数金沢岐阜京都大阪
2010-18年4.018.123.317.1
2000-09年3.217.618.515.3
1990-99年3.512.515.810.3
1980-89年2.25.88.16.0
1970-79年3.07.411.36.1
1960-69年2.25.711.96.4
1950-59年1.84.410.63.6
1940-49年1.05.613.76.6
1930-39年0.64.28.64.0
1920-29年0.94.26.32.0

広島・松江・高松・高知

単位:日数広島松江高松高知
2010-18年11.68.216.73.6
2000-09年6.35.410.53.4
1990-99年6.94.39.31.9
1980-89年0.41.42.31.0
1970-79年0.12.71.31.1
1960-69年0.51.71.52.1
1950-59年0.31.50.61.2
1940-49年0.31.51.40.3
1930-39年1.50.3
1920-29年3.00.4

福岡・鹿児島・那覇・石垣島

単位:日数福岡鹿児島那覇石垣島
2010-18年14.37.40.20.1
2000-09年4.97.30.30.2
1990-99年5.93.50.00.0
1980-89年3.20.70.00.2
1970-79年1.91.00.00.0
1960-69年3.41.20.00.2
1950-59年2.71.20.00.7
1940-49年1.12.20.00.0
1930-39年1.20.50.00.0
1920-29年1.70.50.00.0

2010年・2000年を境に比較

各地域ごとの10年ごとデータで、1990年代・2000年代・2010年代と猛暑日が増えていった地域が多いことが分かりますが、念のために、2010年代(9年間)とそれ以前の90年間との比較、2000年以降(19年間)とそれ以前の80年間の比較を一覧にしています。

それぞれの期間ごと、猛暑日数の平均値を割り出し一覧にしました。

単位:日数2010年~と過去比較2000年~と過去比較
2010年以降2009年以前2000年以降1999年以前
札幌0.00.10.10.1
青森0.70.10.30.1
秋田1.60.61.40.6
仙台1.40.51.00.5
宇都宮7.81.46.31.0
東京7.41.85.51.6
熊谷23.26.719.15.6
甲府23.17.117.86.4
長野6.02.24.82.1
静岡3.61.93.31.7
名古屋16.98.316.07.5
新潟2.32.03.01.9
金沢4.02.03.61.9
岐阜18.17.517.96.2
京都23.311.620.910.8
大阪17.16.716.25.6
広島11.62.18.91.6
松江8.22.66.82.2
高松16.73.813.62.7
高知3.61.33.51.0
福岡14.32.99.62.6
鹿児島7.42.07.41.4
那覇0.20.00.30.0
石垣島0.10.10.20.1
平均9.13.27.82.7

札幌以外は、2000年以降・2010年以降ともに、それ以前の平均より「猛暑日」が増えていることが分かります。

まとめ

以前の記事で取った「真夏日の日数(最高気温が30℃以上の日)」や「8月の平均最高気温」のデータでは、2010年以降または2000年以降とそれ以前との差は特に現れていませんでしたが、今回の「猛暑日(最高気温が35℃以上の日)」では、明確に暑くなっていると認識できました。

猛暑日の日数だけを見ていると、確かに、温暖化が進んでいるようです。

しかし、前の記事の真夏日や降水量のデータでは、そう読み取れませんでした。

そこで、このデータだけでは不十分と理解し、別の記事で、本当に温暖化傾向にあると言えるのか?このままだと2100年には4~5℃も気温上昇してしまうのか?別のデータを使って、もう少し詳細に検証してみたいと思います。

それではまた。。。

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