北海道議会禁煙化問題と喫煙率を全国比較!時代錯誤から少しは前進?

来年完成予定の道議会の新庁舎に、喫煙室を設けず全面禁煙にするよう、札幌の市民団体「北海道の未来を拓く会」や日本禁煙学会などから申し入れがされた件が、北海道ローカルテレビニュースでは話題になっています。

同庁の本庁舎の中は完全禁煙化がされているのに、同議会の中では喫煙が可能になっていることがおかしい!議員の特権的なおごり・自らに甘いのではないのか!といった感じになっています。

今朝のHTB「イチモニ」でも「石沢綾子のざわつくニュース」で特集られ、過去のいきさつなども紹介されましたが、何とびっくり時代錯誤的なことも判明しました。

しかし、単純に北海道内のことにびっくりしていても、全国ではどんな状況で、北海道議会だけがおかしいのか?全国的に議員たちがおかしいのか?ちょっと調べてみました。

また、北海道民の喫煙率が日本一であることはご存知の方も多いと思いますが、過去に比べて禁煙化が進んでいる日本の世の中で、北海道民はどんな進展ぶりなのか?

議員のことと道民のこと、両方の禁煙に対する21世紀の進展ぶりをまとめてみました。

同議会の喫煙問題

健康増進法で定められていること

来月(2019年7月)から施行される改正健康増進法では、公共施設での受動喫煙対策の一環として、行政機関などの敷地内を全面禁煙にすることが義務づけられています。

ところが「イチモニ」の調べでは、厚生労働省によると「道議会」は「議決機関」であり「行政機関」ではないという理由で、規制の対象外であるということ、道議会の喫煙はルール違反ではないということだそうです。

「イチモニ」の映像に時代錯誤ぶりが!

北海道庁の本庁舎の中は2008年から全面禁煙になっていましたが、その後も、道議会庁舎内は分煙すらされていなかったのです。

「イチモニ」の流した映像では、議員控室には各テーブルに灰皿が用意されていて、たばこの吸い殻が残っているデスクなども映し出されていました。

しかも、当時の議員たちは周りに秘書の人たちもいる中で、自分の席で気にせずスパスパ吸っていたそうです。

よく昭和から平成のバブルの頃(30年前頃)の映像に出てくる感じですね。

2010年の議論

2008年の同庁本庁舎の全面禁煙を受けて、道議会も全面禁煙に向けて議論するべく、2年後の2010年の4月に評議会が立ち上がったとのことです。

で、5か月後に出た結論が「まずは分煙化」だそうです。

「イチモニ」では、遅れている!でもちょっと進展?とか意見が出ながら、来年のオリンピックまで400日、日本全体で受動喫煙防止に向けて進んでいる中で、道議会がどういう対応を取るのか今後更に注目が集まりそう!と、まとめられていました。

他都道府県の議会はどうか?

北海道=喫煙率が高い=北海道議会も喫煙に甘い!となりがちですが、北海道以外の議会ではどうなのか?

2018年5月に朝日新聞が行った調査によると、

各都道府県の「庁舎内」を完全禁煙にしているのは38道府県で、庁舎内に喫煙場所があるのは福島、群馬、東京、新潟、石川、愛知、熊本、宮崎、鹿児島の9都県だったそうです。

しか~し、「議会」はというと、32都道府県で分煙も含めて喫煙可能だったそうです。

このうち23道府県では、「庁舎内」は完全禁煙なのに対して「議会内」には喫煙場所を設けていたそうです。

つまり、北海道は

①「庁舎内」が完全禁煙しているので、福島、群馬、東京、新潟、石川、愛知、熊本、宮崎、鹿児島の9都県よりは進んでいる。

②「議会」が喫煙可能なのは32/47都道府県=68%の都道府県と同じ

③「庁舎内」禁煙でも「議会」喫煙可能なのは23/38都道府県=61%なのだから、北海道議会だけがおかしいという結論にはなりえない

総論として、北海道議会議員たちだけが、世の中の禁煙化に対し遅れているということにはならない!(日本全国の都道府県議員たちがおかしいという理論は成り立っても)という結論になりそうです。

あくまでも、昨年2018年5月の時点ですけど。

そして、議員たちを責めるのは良いとして、では道民の喫煙に対する状況は、過去どう進展してきたのか?

次に喫煙率データをまとめてみました。

北海道民の喫煙率を全国比較

「国民生活基礎調査による都道府県別喫煙率データ」という厚生労働省大臣官房統計情報部のまとめたデータを引用し、こちらで北海道vs全国の喫煙率の減少状況を割り出してみました。

2001年~2016年の喫煙率推移

単位:%北海道全国平均全国比
2001年38.030.5124.6%
2004年35.128.5123.2%
2007年31.525.6123.0%
2010年24.821.2117.0%
2013年27.621.6127.8%
2016年24.719.8124.7%

※「全国比」は全国平均に対する北海道の率がいかに多いかを数値化(北海道/全国平均)

北海道の喫煙率は、2001年の38.0%から24.7%へ大きく減少していますが、日本全国でも30.5%から19.8%へと大きく減少しているため、北海道の喫煙率の日本全国平均比が125%前後もあるという現実は、何も変わっていないということになります。

男女別の喫煙率とその推移

男性

単位:%北海道全国平均全国比
2001年53.548.4110.5%
2004年49.944.9111.1%
2007年43.939.7110.6%
2010年35.033.1105.7%
2013年39.233.7116.3%
2016年34.631.1111.3%
15年間比64.7%64.3%

先ほどのデータ(男女合計)では、北海道の喫煙率の日本全国平均比が125%前後であるとお伝えしましたが、男性に限ってのデータでは、110%前後といった感じで、全国との差はかなり縮まってきます。

しかし、15年間の推移においては、北海道の喫煙率15年間比も64.7%分まで下がりましたが、全国平均も64.3%なので、日本全国の禁煙化の流れにただ乗っかっているだけ!といった感じです。

女性

単位:%北海道全国平均全国比
2001年24.314.0173.6%
2004年22.213.5164.4%
2007年20.612.7162.2%
2010年16.210.4155.8%
2013年17.810.7166.4%
2016年16.19.5169.5%
15年間比66.3%67.9%

日本全国平均比が155~173%と、男性の110%に比べても、明らかに異常と言えるほどの高さです。

15年間の減少率が、北海道も全国平均とほぼ同数なので、北海道の女性も、一応は日本全国の禁煙化に反せず禁煙化が進んでいるとは言えます。

まとめ

私の結論は、

(前提)

もちろん、全ての場で禁煙化してほしい!

特に歩きたばこ!

(現実)

しかし、議員たちを責める前に、北海道民の禁煙化も、日本全国の流れに沿っているだけで、日本全国平均とは程遠い現実にあるという点は何も進展していないことも、各関係者団体は自覚と公表をするべきではないか!

さてさて、来年1月に完成予定の道議会の新庁舎!喫煙室を設置するかどうかまだ決まっていないとのことですがどうなることやら?

“他力本願”北海道なので他の都道府県議会もそうなんだから!という結論が予想され、期待はしていませんが。。。

しか~し、若い鈴木知事には、選挙で戦った相手である石川さんの言っていた「北海道独立宣言」(国に依存するのではなく、わたしたちで考えて、話し合い、決めていく決意)の部分については、見習ってほしいな~(もちろん国とは仲良く)!!と切に願いますよ。

JR廃線問題も、夕張市長時代の判断方をブラさないようお願いしたいものですよ。。。

2019年6月21日(公開の翌日)「追記」
STVの「どさんこワイド朝」の中の「ナニ派?リサーチ」で「道議会喫煙所設置は?」という質問に対し
A賛成:1,911人(26%) B反対:5,506人(74%)と、4人に3人は反対という北海道民の反応があったこと追記します。

それではまた。。。

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