2100年天気予報は正しいの?❹温暖化を平均最高気温100年で検証!

環境省が公表した「2100年未来の天気予報」の根本となっている「現状を上回る温暖化対策を行わない場合に世界の平均気温が21世紀末最大で4.8℃上昇するというシナリオ」について、過去3回(❶~❸)の検証をしてきました。

❶35℃以上となる猛暑日の日数
❷7月~9月で最も暑い日の気温
❸7月~9月の平均気温

各開度とに、100年間のデータを気象庁よりお借りし、データ分析を行った結果、前回の❸記事で、どうやら、

・10年単位で見ると、最近20~30年間で気温が明確に上昇している!

・最近を3年単位で見ると、2010年~2012年の3年間あたりで気温上昇のピークを迎え、今後はそれほど上昇しないのではないか?

といった方向が見えてきました。

そこで、前回の7月~9月の平均気温に加えて、今回は「7月~9月の平均最高気温」でデータ検証してみることにしました。

気温上昇で一番困るのは日中の最高気温であるので、平均気温よりも日々の最高気温で検証してみた方が良いためです。

また、❶と❷で行った「35℃以上となる日の日数の100年推移」と「7月~9月の最高気温(最も高い1日)での100年推移」検証では、夏を通して連日の暑さが続くのか?年に1日または数日の限られた日だけが気温上昇する部分だけの検証でした。

しかし今回は、3か月92日の最高気温を各年どとに平均値化したデータで検証を行うというものなので、連日気温が上昇してているのか?の検証が可能となります。

※気象データは、全て気象庁ホームページに掲載のデータを参照しています。
※データは1920年~2018年の99年分を各年代ごと(10年ごと)に平均値を出しました。
※利用したデータの地域は、札幌・青森・秋田・仙台・宇都宮・東京・熊谷・甲府・長野・静岡・名古屋・新潟・金沢・岐阜・京都・大阪・広島・松江・高松・高知・福岡・鹿児島・那覇・石垣島の24地域です。

2010年以降・2000年以降vs過去90年・80年

過去100年を10年単位で見るために、今回は全24地域ごと10年ごとのデータは掲載を割愛しますが、このデータを、2010年以降・2000年以降とそれ以前の90年・80年と比較した一覧表にしました。

結論を先に申し上げますと、全ての24地域で、過去よりも2010年以降・2000年以降の方が、気温が0.6~1.8℃の範囲で上昇しています。

単位:℃2010年~と過去比較2000年~と過去比較
2010年以降2009年以前2000年以降1999年以前
札幌25.624.525.124.5
青森26.925.426.225.4
秋田27.926.727.426.6
仙台27.626.026.926.0
宇都宮29.828.029.427.9
東京30.328.929.928.9
熊谷31.129.130.729.0
甲府31.630.131.330.0
長野29.528.429.228.4
静岡30.229.229.929.1
名古屋31.630.431.530.3
新潟29.028.028.728.0
金沢30.029.029.628.9
岐阜31.730.231.630.1
京都32.131.031.930.9
大阪31.931.031.930.9
広島31.229.731.129.6
松江30.129.029.828.9
高松31.629.931.429.7
高知31.030.131.030.0
福岡31.430.031.129.9
鹿児島31.731.031.830.9
那覇31.630.631.630.5
石垣島32.131.331.931.3
平均30.329.130.029.0

前回の記事で7月~9月の平均気温で検証したことと同じで、10年単位では、直近20年・10年は気温上昇化傾向にあることが分かりました。

そこで次に、3年単位での推移を見ていくことにします。3年単位のデータは、各地域ごとに掲載します。

各地域ごと・平均最高気温の3年ごとの推移(30年間)

札幌・青森・秋田・仙台

 札幌青森秋田仙台
89-91年24.725.926.725.8
92-94年24.325.626.425.7
95-97年24.025.626.026.2
98-00年25.526.728.227.0
01-03年23.424.426.425.3
04-06年25.126.027.126.3
07-09年24.625.626.926.0
10-12年26.327.728.528.4
13-15年25.426.627.227.1
16-18年25.226.427.827.4

宇都宮・東京・熊谷・甲府

 宇都宮東京熊谷甲府
89-91年28.429.129.630.3
92-94年28.128.729.230.4
95-97年28.729.430.030.7
98-00年29.630.330.731.1
01-03年28.629.229.830.7
04-06年29.229.830.631.2
07-09年28.929.330.130.7
10-12年30.730.932.232.0
13-15年29.129.930.431.2
16-18年29.630.030.831.6

長野・静岡・名古屋・新潟

 長野静岡名古屋新潟
89-91年28.429.430.628.1
92-94年28.629.030.428.1
95-97年28.029.730.627.8
98-00年29.430.031.529.5
01-03年28.829.531.028.5
04-06年29.029.931.428.7
07-09年28.829.631.227.9
10-12年30.230.431.930.0
13-15年28.829.831.228.1
16-18年29.430.431.828.8

金沢・岐阜・京都・大阪

 金沢岐阜京都大阪
89-91年29.530.731.131.5
92-94年28.230.530.930.9
95-97年28.430.931.030.8
98-00年29.831.832.032.2
01-03年29.031.331.431.7
04-06年29.631.731.832.0
07-09年29.031.231.431.6
10-12年30.632.032.532.2
13-15年29.331.231.631.3
16-18年30.031.832.232.1

広島・松江・高松・高知

 広島松江高松高知
89-91年30.828.930.230.5
92-94年30.528.830.330.1
95-97年30.628.630.630.5
98-00年31.229.831.530.9
01-03年30.929.230.930.9
04-06年30.929.731.231.1
07-09年31.129.331.231.1
10-12年31.730.931.931.1
13-15年30.529.131.030.6
16-18年31.330.131.831.3

福岡・鹿児島・那覇・石垣島

 福岡鹿児島那覇石垣島
89-91年30.431.431.331.4
92-94年29.930.731.031.4
95-97年30.031.330.931.1
98-00年30.831.730.931.6
01-03年30.431.831.732.0
04-06年30.932.131.531.4
07-09年31.032.231.932.0
10-12年31.731.531.231.9
13-15年30.631.331.732.2
16-18年31.832.332.032.3

3年ごとの平均推移

2004年~2015年の3年ごととの比較

各地域別・3年単位で気温を見てみると、直近の2016年~2018年よりも、2010年~2012年と1998年~2000年の方が、高い地域がいくつかあるのですが、見つけるのは大変ですので、2016~2018年と各3年を比較して一覧にしました。

16-18年が各3年間に対しどうか?という数値なので、100%を割って90%台の数値となっている年は、16-18年の方が気温が低いという意味となります。

単位:℃対13-15年対10-12年対07-09年対04-06年
札幌99.1%95.8%102.3%100.1%
青森99.1%95.3%103.1%101.4%
秋田102.3%97.5%103.5%102.6%
仙台100.9%96.4%105.1%104.1%
宇都宮101.6%96.4%102.3%101.4%
東京100.4%97.1%102.3%100.6%
熊谷101.3%95.9%102.5%100.8%
甲府101.3%99.0%103.2%101.4%
長野102.0%97.1%102.1%101.4%
静岡102.2%100.2%102.9%101.9%
名古屋101.9%99.6%101.7%101.3%
新潟102.6%96.1%103.5%100.6%
金沢102.3%97.9%103.5%101.1%
岐阜101.9%99.6%102.1%100.4%
京都101.9%99.3%102.7%101.5%
大阪102.7%99.7%101.7%100.3%
広島102.8%98.8%100.9%101.3%
松江103.6%97.4%102.7%101.3%
高松102.6%99.8%102.0%101.8%
高知102.4%100.6%100.6%100.5%
福岡103.9%100.3%102.5%103.0%
鹿児島103.2%102.6%100.4%100.7%
那覇100.8%102.6%100.1%101.5%
石垣島100.1%101.3%100.8%102.9%
平均101.8%98.6%102.3%101.4%

24地域の平均を見ると、対10-12年が低い数値になっているのですが、静岡・高知・福岡・鹿児島・那覇・石垣島の6地域だけは、高い数値となっています。

1992年~2003年の3年ごととの比較

単位:℃対01-03年対98-00年対95-97年対92-94年
札幌107.4%98.8%104.9%103.6%
青森108.2%98.8%103.1%103.3%
秋田105.3%98.8%107.2%105.6%
仙台108.0%101.5%104.5%106.3%
宇都宮103.6%99.9%103.0%105.3%
東京102.6%99.1%101.9%104.5%
熊谷103.6%100.4%102.9%105.5%
甲府103.2%101.6%103.0%104.1%
長野102.0%99.9%104.8%102.8%
静岡103.3%101.4%102.5%104.9%
名古屋102.5%100.7%103.8%104.4%
新潟101.3%97.7%103.8%102.7%
金沢103.2%100.7%105.6%106.3%
岐阜101.8%100.2%103.0%104.3%
京都102.5%100.8%104.1%104.3%
大阪101.4%99.7%104.2%103.9%
広島101.3%100.5%102.5%102.6%
松江103.2%101.0%105.2%104.5%
高松102.8%101.0%103.9%105.0%
高知101.3%101.3%102.6%104.1%
福岡104.6%103.4%105.9%106.2%
鹿児島101.5%101.9%103.3%105.2%
那覇100.8%103.3%103.5%103.0%
石垣島100.9%102.2%103.9%102.9%
平均103.2%100.6%103.9%104.4%

大よそで、16-18年の方が100%を上回り、気温が高いという結果ですが、「対98-00年」の札幌・青森・秋田・宇都宮・東京・長野・新潟・大阪だけは、低い結果となっています。

まとめ

今回の検証で、7月~9月の平均最高気温は、前回の平均気温の検証と同様に、「10年単位では気温上昇しているように見えても、既にその上昇ピーク期を超え、今後は今までと同じペースでの気温上昇は起こらないかもしれない」といった部分が再確認できました。

よって、次回❺記事(これを最後にします)において、グラフ化などをしながら最終結論を出したいと思います。

あくまでも、気温数値だけでですけどね。

温暖化の話は、突き詰めていくと、専門的な知識よりも政治的な背景などから、いろんなご意見に惑わされていきます。

よって、この一連の記事については、あくまでも気温データだけでの判断としています。

株式トレードで言えば、ファンダメンタルズ分析を排除して、テクニカル分析を一択したといった感じです。

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